こんにちは。
今日は「鉛筆のタッチ」について。
デッサンは基本的に、鉛筆の細い線や長い線だけでなく、薄い線や濃い線などさまざまな線を積み重ねて描いていきます。
この線の積み重ねることをデッサンでは「タッチ」といいます。
タッチの種類は膨大にあり、それらを複雑に組み合わせながらモチーフの形や質感を画面に表現していきます。
今回は、デッサンで重要になるタッチについてを分かりやすく解説していきます。
鉛筆のタッチについて
鉛筆のタッチに重要になってくるのは力加減です。基本的にどのタッチであっても力加減は同じです。
鉛筆の使い方や持ち方によって変えるだけです。
筆圧はあまり強くするとキャンパスが傷んでしまうので、できるだけ優しいタッチを身に着けてそれぞれのタッチをマスターするようにしましょう。
やわらかいタッチ
鉛筆の芯の側面を使い、弱めの筆圧で描くタッチです。
アタリを描く時など、デッサンの初期描写・ラフ画などで多用します。
側面を使いやすいように、自分の好みの鉛筆の削り方を覚えて鉛筆をつくりましょう。
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人物画では、ラフ画以外でも肌の質感をつくるのに、よく多用したりさまざまな質感に役に立つのが、このやわらかいタッチです。
硬いタッチ
鉛筆の先端を使用して、直線を刻むタッチです。
影になっている部分など、面を表現するときに多用します。
さらに、アウトライン(デッサンの輪郭線)などを、仕上げの際に硬いタッチで描くことでコントラストがついてくれて、立体感を表現もしてくれるので、仕上げの時に多用します。
これらの、やわらかいタッチと硬いタッチを基本軸によって以下のタッチと組み合わせることでも大きく変わります。
直線的なタッチ
鉛筆の先端を使用した直線の上から、向きを変えて直線を重ねて刻むタッチです。
細かい描写などで多く使用します。さまざまな質感や陰影にも多用することがあります。
曲線的なタッチ
複数の曲線を重ねたタッチです。
円など滑らかな面を表すときに多用します。こちらもさまざまな質感や陰影にも多用します。これは素材によって変えたりもします。
荒いタッチ
鉛筆の先端を使って、直線や曲線を織り交ぜたタッチです。
土の盛り上がりなど、荒々しい質感を表現することができます。服やアクセサリーなど装飾系の質感に多用していきます。
鉛筆を寝かせたタッチ
鉛筆の芯の側面を使用して、太くやわらかい線を描くタッチです。
陰影をつけるときによく多用します。
このタッチに重要になってくるのは、鉛筆の持ち方です。
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鉛筆を寝かせて、鉛筆の芯に近い部分を持つのと遠い端の部分を持つのでもタッチの加減が変わるので、描写したい表現や質感によって使い分けをする必要があります。
寝かせてもつタッチは奥深いタッチです。
【まとめ】鉛筆のタッチによってさまざまな表現ができる
タッチによって鉛筆デッサンは、さまざまな表現ができます。
鉛筆デッサンでは、モチーフを見たり触れたり感じる印象をできるだけ再現する必要があります。
それらの質感を表現するためにはタッチが重要になります、それぞれのタッチを再現し的確につけることでリアルなデッサンをつくることができます。
さらに鉛筆の硬さや濃度によっても同じタッチであっても違ってくるので、そこそタッチの種類は膨大なものになります。
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それでも、1番重要になってくるのはどれだけ練習するかです。
自分でさまざまなタッチを描いてみて、こういうタッチではこんな質感になる、さらに加えることでこういう質感になるということを理解することが大事です。
人によっては、質感のつくり方が違ったりもします。
自分なりのデッサンの表現方法をつくりましょう、そのきっかけになれば幸いです。